ルンバが撮ったトイレ中の女性の写真がFacebookに投稿された

ロボット掃除機ルンバのカメラから、ユーザーのトイレの映像が流出したと報じた記事が出て議論に発展しました。

ハイエンドなロボット掃除機の中には、カメラとAIを駆使して障害物を認識したり、複数の部屋の間取りを正確に把握して記憶したりする技術を搭載しているものがあります。
当然ながら、ロボット掃除機のカメラにはユーザーのプライベートな空間や他人には見られたくない生活の一部が映ることになりますが、その映像が流出したと報じた記事がソーシャルメディアのHacker Newsなどで議論に発展しました。

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記事

GIGAZINE
「「ルンバが撮ったトイレ中の女性の写真がFacebookに投稿された」という記事がネットで激論に」
2022.12.20

https://gigazine.net/news/20221220-roomba-recorded-toilet/

MIT Technology Review
「A Roomba recorded a woman on the toilet. How did screenshots end up on Facebook?」
2022.12.19

https://www.technologyreview.com/2022/12/19/1065306/roomba-irobot-robot-vacuums-artificial-intelligence-training-data-privacy/

本文抜粋

ハイエンドなロボット掃除機の中には、カメラとAIを駆使して障害物を認識したり、複数の部屋の間取りを正確に把握して記憶したりする技術を搭載しているものがあります。
当然ながら、ロボット掃除機のカメラにはユーザーのプライベートな空間や他人には見られたくない生活の一部が映ることになりますが、その映像が流出したと報じた記事がソーシャルメディアのHacker Newsなどで議論に発展しました。

ルンバがユーザーのトイレ内を撮影した動画が流出

科学技術誌のMIT Technology Reviewは2022年12月19日に、「A Roomba recorded a woman on the toilet. How did screenshots end up on Facebook?(ルンバがトイレにいる女性を録画。そのスクリーンショットがなぜFacebookに掲載されたのか?)」と題した記事を掲載し、ロボット掃除機のルンバが撮影したものだという用便中の女性の写真などを、プライバシーに関する部分を修正した上で公開しました。

ロボット掃除機ルンバのカメラから、ユーザーのトイレの映像が流出したと報じた記事が出て議論に発展しました。
ルンバのカメラから流出したトイレの映像

ロボット掃除機が撮影した映像が流出している可能性を示唆するこの記事はHacker Newsでも取り上げられ、記事作成時点で100件以上のコメントが付いています。
その中には「これはひどいし、盗撮的ですが、ある意味でオーウェル的な恐怖を赤裸々に表現しています。iRobotも、ロボット掃除機が収集したデータの分析にあたったScale AIも、どうしてこのような個人情報を保護する仕組みを持っていなかったのでしょうか?このようなプライバシー軽視は罰せられるべきで、この女性はiRobotとScale AIを訴えて高額な賠償金を得ることができるはずです。もしかしたら両社がデータプライバシーに関するポリシーを持っていたかもしれませんが、それはまったく不十分なものでした」と、メーカーやAI企業を非難するコメントがありました。

また、「iRobotはルンバが収集した間取りのデータを第三者に販売しようと画策したこともある企業です」と指摘する投稿もありました。

開発デモ用か?

しかし、ロボット掃除機によって人々のプライバシーが侵害されているという論調に疑問を呈するHacker Newsユーザーも多くいました。

例えば、あるユーザーは記事中の「iRobotはこれらのデータはすべて消費者向けには存在せず、存在したこともない特別な開発用ロボットからのものだと述べています。これらのロボットは有償のデータ収集事業者や従業員に与えられ、彼らはトレーニング目的で映像を含むデータを会社に提供することを認める契約書にサインしました。iRobotによると、ロボットには『ビデオ録画中』と書かれた明るい緑色のステッカーが貼られおり、収集事業者は任意にロボットが動作する場所から子どもやセンシティブなものを取り除くことができました」という一文に着目。
タイトルでほのめかされているようなデータ侵害ではなく、トレーニング用のデータが事業者によって流出したというのが実態ではないかと結論付けました。

開発に関わる人物がリークした?

また、「問題のロボットは、機械学習と画像の分類の訓練用に開発された特殊なロボットで、おそらく画像分類のために雇われたベネズエラの労働者がFacebookにリークしたものだと思われます」と推測する投稿もありました。

MIT Technology Reviewは、ロボット掃除機の大手メーカーであるiRobot社が、同社のロボット「ルンバj7シリーズ」の開発版が収集した生データをふるい分けしてラベル付けするために第三者の契約者を雇ったことを明らかにしています。アイロボット社はデータをScale AIというスタートアップ企業と共有し、Scale AIはベネズエラの独立した下請け業者にデータを共有、その業者はさらに、FacebookやDiscordでデータを共有したと言います。

このように、ロボット掃除機からプライベートなデータが漏えいしたことを非難する書き込みもあれば、市販の製品ではなく開発用の特殊なロボットをテストしていた業者がリークしたものに過ぎないとする書き込みもあり、記事に対する反応は2つに割れました。

また、中には「MIT Technology Reviewはこれらの画像を手に入れてから、記事のクリック数を増やすために、誰もが見られるインターネット上に公開しました。これは、一連の流れの中で最もひどいプライバシー侵害のように感じられます」と述べて、報道のためとはいえ流出したプライベートな写真を掲載したことを非難する意見もありました。

問題の記事はオンライン掲示板のRedditでも取り沙汰されており、記事への反応には「クリックベイト記事」と断じるコメントや、「収集された写真が流出した事実に変わりはない」とする意見などがありました。

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