くしゃみや咳が出る瞬間、「尿もれしたらどうしよう」という不安が頭をよぎったことはありませんか。
外出先だったり、尿漏れの経験がある方なら、なおさら心配ですよね。
とっさの時に尿漏れを回避する方法があれば、心強いもの。
日本泌尿器学会専門医に教わりましょう。
元記事
ゆうゆうtime編集部
尿漏れのピンチを一瞬で切り抜けるおすすめポーズ。咳やくしゃみのときにぜひ! (msn.com)
『くしゃみや咳で尿漏れが! 一瞬でピンチを切り抜けるおすすめのポーズ』
2022.10.31
本文抜粋
くしゃみや咳で、なぜ尿漏れするの?
くしゃみや咳をするとき、なぜ尿がもれてしまうのでしょう? 以前はそんな心配をしたことはなかったですよね。
思わず尿がもれてしまうのは、「腹圧」と関係しています。
まず、尿漏れと腹圧の関係について、簡単にみていきましょう。
尿は腎臓でたえまなくつくられていて、少しずつ膀胱に送られてきます。膀胱は尿をためる臓器です。伸び縮みする筋肉でできていて、ためられる尿の量は、およそ300〜500㎖程度。
普通は、尿が膀胱に満タンになるまで、膀胱の収縮を脳が抑えていて、尿はもれません。膀胱に尿がいっぱいになると、脳から『排尿せよ』という指令が出ます。すると尿道の筋肉がゆるみ、膀胱の筋肉が収縮して自然に尿が出てくるという仕組みになっています。
ところが、ちょっと運動をしたり、重いものを持ったりすると腹圧がかかるため、膀胱が圧迫されます。尿道周囲の骨盤底筋群が弱くなっていると、尿意がないのに尿がもれてしまうというわけです。
脳からの「排尿せよ」という指令とは関係なく、尿がもれてしまう。これを「腹圧性尿失禁」といいます。くしゃみや咳で尿漏れするのは、このケースです。
腹圧がかからない姿勢をとる
「あ、くしゃみが出そう!」
瞬時にピンチを切り抜けるには、背すじをピンと伸ばして姿勢を正しくしてみてください。
「たったそれだけ?」と驚かれるかもしれませんね。たったそれだけで、骨盤の向きが変わるため、腹圧がかからなくなります。すると骨盤底への圧力が弱まり、尿もれを防ぐことができるのです。
背すじを伸ばすだけなら、周囲の人に気づかれることもありません。ぜひ試してみてください。
背すじをピンと伸ばして、腹圧がかからないようにします。
日ごろから骨盤底筋群を鍛えておけば、さらに安心
くしゃみや咳をするとき、または重いものをもったりするときに尿漏れが不安な人におすすめなのが、骨盤底筋トレーニングです。
「おなかに力を入れた瞬間にもれる」「がまんできずにもれる」などの困りごとを改善したいときの定番ですから、ぜひ覚えておきましょう。
骨盤底の筋肉というのは、ふだんの生活では鍛えにくい場所にあります。体の奥にあるインナーマッスルなので、イメージしづらいかもしれませんね。日ごろから意識して骨盤底筋トレーニングを行い、強化しておくことが大切です。
骨盤底筋トレーニングを2、3カ月続けると、7〜8割は症状が改善するといわれます。
今回は、座っているときにできる、基本の骨盤底筋トレーニングを紹介しましょう。
【1】姿勢を正してイスに座ります。
【2】ちつと肛門をキュッと締めます。
【3】ちつと肛門を締めたまま、息を吐きながら4〜5秒かけて、グーっと上方向(胃の方向)に持ち上げます。
【4】息を吸い、力を抜いてリラックスしましょう。
★目安★
【1】〜【4】で1セット。5回繰り返しましょう。
電車の座席や会議中でも、座ってできる骨盤底筋トレーニングです。
鍛えれば鍛えるほど強化され、機能がアップしていきます。ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
※この記事は『「トイレが近い」人のお助けBOOK』関口由紀監修(主婦の友社)の内容を再編集しています。
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