みなさんの会社では、社員がトイレ掃除を行っていますか? 掲示板サイト「発言小町」に、「今年から新人の男性社員が女子トイレを掃除することになり、違和感があります」と40代の女性会社員が疑問を投げかけました。
元記事
讀賣新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20170821-OKT8T30330/
「男子社員が女子トイレを掃除 世代で感覚に差?」
2017.08.21
本文抜粋
男子が女子トイレに入ることに抵抗はあるか?
投稿主の「ちょろ」さんは、「男性が女子トイレに入るだけでも抵抗がある」と書きます。しかし、他の女性社員は「抵抗がなさそうで、自分の感覚がおかしいのか? 今の若い人の意識は違うのでしょうか?」と尋ねています。とはいえ、混雑している男子トイレに「今日だけ男~」と割り込む年配女性もいると聞きます。
「発言小町」では、「トイレ掃除も社員教育」という意見が目立ちました。「カラオケ店や、飲食店では男性がトイレの清掃で入ってくることがあるので、それほど気にしないのでは?」という声や、「異性が入ってくることで意識し、キレイに使う」と、むしろ男性のトイレ掃除を歓迎する声も。「男性こそ、(気持ちを込めて)トイレ掃除をやるべきだと考えています。男女関係なく家の家事も職場のトイレ掃除もやって当たり前の世の中になったらいいなと思っています」といった肯定的な意見が寄せられました。
7割の企業が「自社で清掃」という調査結果も
誰がトイレ掃除をしているケースが多いのか、大阪商工会議所が2012年に清掃に関するアンケート(有効回答数:414社)を実施しています。
まず、トイレに限らず社内全体の清掃について「自社社員」(68.4%)、「自社社員と業務委託」(13.5%)と、自社で掃除を行っていると答えた企業は約8割。そのうち、71.7%がトイレ掃除も自社で行っていました。
社員が掃除を担当する会社で「誰が掃除しているか」という質問には、「経営者も含めた社員」と答えた企業が7割に上っています。
アンケートでは「職場の環境・公衆衛生・安全性が向上した」(67.1%)が最も多く、ついで「従業員のモチベーション・モラルが向上した」(44.2%)という回答があり、「商人の町」大阪では、トイレも含めた掃除が、思わぬ効果をもたらしているようでした。
歌手・植村花菜さんの「トイレの神様」がヒットしたのは、2010年。トイレにはキレイな女神様がいて、トイレを毎日キレイにしたら「女神様のようにべっぴんさんになれる」と説いた、亡き祖母との思い出を歌ったものでした。女性はべっぴんになれるなら、男性はどうなるのでしょう?
トイレ掃除に経営者の哲学
「トイレ掃除の経営学」(白桃書房)を書いた日本大学経済学部の大森信教授は、「日本には海外と比べて、掃除や整理整頓にこだわる会社が多い」と指摘します。松下幸之助や本田宗一郎ら名経営者がトイレ掃除の状態まで気にしていたという逸話があり、それを見聞きした経営者たちが、自社のトイレ掃除にも取り組む事例があるからです。
その効用について、大森教授は「誰もが使う場所でありながら、好きこのんでやりたくないトイレ掃除を行うことで、小さなことにまで目を配る意識を育て、社員が気持ちよく過ごす環境を作れる」と言います。
その上で、「実際、トイレ掃除を社員が当たり前に取り組んで、社員間で信頼感が形成されている会社であれば、男性が女性トイレを掃除しても問題にならないのでは」と指摘します。「社員の会社に対する愛着度が低い、仕事意欲が低い、人間関係が良くないなど課題を抱える会社ほど、たかがトイレ掃除なのですが、様々な問題が起こりがち。トイレ掃除は会社の現在の状態を映す鏡ともいえます」。
みなさんの会社ではどうですか?
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