防災と健康に関するセミナー運営およびグッズ製作を行う合同会社BOUKENが、「災害から女性を守るカップ型トイレ Chiicup(ちぃかっぷ)」の販売を開始。地震などの緊急時に難しい状況でも、用が足せるように考案・開発されたアイテムということで注目を浴びている。
元記事
One News
https://one-news.jp/article/1168141
「女性でも“立ち小便”が可能なカップ型トイレが登場!地震での帰宅困難時に備えて看護師・防災士が考案」
2023.11.23
本文抜粋
男性だけが緊急時にも気軽に用を足せるのはズルい!
本商品について、同社代表の髙野明子さんに話を聞いてみた。
- Chiicup開発の狙いは?
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災害時の女性のトイレ問題を解決するひとつの手段として、女性にも“立ち小便”という選択肢を作るべきだと考えました。男性だけが緊急時にも気軽に用を足せるのはズルい!という単純な嫉妬心もありました(笑)。女性の立ち小便について調べていくと1964年の東京オリンピックではオリンピアの女性選手たちは国立競技場にある立ちション便器で競技前に用を足していました。日本の昭和初期までは、畦道で着物を捲って立ち小便する風景は当たり前にあったという話も聞きました。そして製品について調べていくと、外国製の中に女性用の立ち小便補助具も見つけることができましたが、それは日本人女性が使いやすい物とは思えませんでした。ここからは日々、トイレのことばかりを考えて生活していたように思います。
- Chiicupのアイデアのきっかけは?
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ある日、スターバックスでコーヒーを買おうとしたとき、熱いカップを持つためのカップホルダーを見て思いつきました。“こんな風に便器も手に持てれば…”。そこから看護師には馴染みもある尿瓶とカップホルダーを組み合わせた発想が生まれました。硬めの紙を使ってさまざまな試作を行いました。工作が得意な友人にアドバイスをもらいながら形を検証し、女性が立って自分の股に持っていきやすいトイレができあがりました。Chiicupは、折りたたみが可能でA5サイズよりも小さくなります。若干組み立てにはコツがいりますが、編み込むように組み立てることで軽い素材にも関わらず強度が生まれます。これらを東京都知的財産センターの職員さんに相談しながら製品のブラッシュアップを重ねて特許出願~取得に至りました。
- ユーザーへのメッセージは?
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今ならまだ、皆さんは準備ができます。『知っていることが、いのちを守る』のです。食べ物、水の備蓄ももちろんですが、トイレに関する準備を怠らないでください。内閣府は平成30年に『行政は万能ではありません。皆さんの命を行政にゆだねないでください。皆さんの命は、皆さん自身で守ってください』と中央防災会議報告書で発表しています。自宅であれば、ビニール袋と凝固剤を家族数×5回×3日備蓄しておくだけでも違います。避難生活や帰宅難民になることも想定できる場合には、携帯用のトイレが有効です。もちろん弊社のChiicupも選択肢になり得ます。トイレの準備があればこそ、安心して食べて飲めるということ。災害後の心身の健康を守るために本当に重要な準備だということを周囲の方々に伝えてあげてください。
地震が発生で帰宅困難に…そのとき起こる最悪の事態とは?
今後30年以内に70%の確率と予測される首都直下地震。BOUKENによると、都内では帰宅困難者が約453万人になるといわれており、また地震発生後72時間はオフィス・学校などに待機していることが推奨されているという。
トイレは、電気・上水道・下水道のどれか ひとつでもストップすれば使えなくなり、水が流せない状態となる。 行政の資料によると、各区役所が用意している災害用備蓄トイレはあくまでも住居している区民の分のみ。その区民の分さえも不足しているところも多いのが現実だという。
「当然、帰宅困難者(453万人)のための用意はゼロに等しく、男性であれば緊急に屋外で用を足すこともできますが、女性は用を足す場所を失うことになります。地震発生後、少し落ち着いたころから人々がトイレに行き始めます。水が流せなくなったトイレに多くの人が用を足していくと、便器からは汚物があふれ、汚れてひどい状態に。掃除をしたくても水は使えません」と髙野さん。
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